Joseph Perrier Brut(ジョゼフ・ペリエ・ブリュット)を飲む

飲んでみて

今回取りあげるジョゼフ・ペリエは1825年(文政8年)にコート・デ・ブランで設立された老舗メゾンである。そのころ日本では3年後にシーボルト事件が起きている。それがどれだけ昔のことだかぴんと来ないが、その当時に鶴屋南北が70才であったり、酒井抱一が64才であったり、滝沢馬琴が58才であったり、井伊直弼が10才であったことがわかったとしても江戸後期といったくらいのことしか思い浮かばない。やはりぴんと来ない。こんなことをつづって南北と馬琴がひとまわりの違いで、その間に抱一がはさまれていたことに気づいたとしても、へえーといった感慨以上のものは出てこない。今から200年くらいも前のことだと実感がわいてこないのは無理もない。

このメゾンのシャンパンを飲むのは初めてだが、ローラン・ペリエもペリエ・ジュエも好きなタイプなので、ペリエと名がつくだけで贔屓目に見てしまう。

よく冷やした状態で飲んだが実際のところちょっと物足りなかった。販売業者の説明では日本向けの輸出前にデゴルジュマン(澱引き)をしているというので溌剌とした勢いのある香りを期待していたが、そうではなかった。しけた花火のようなしおれたような感じでよく嗅がなければわからないほどだった。香りはオレンジーピールの苦みとリンゴの爽やかな感じがあって、蜜のような甘さがあとからついてくるようだった。

飲んだ感じはボリュームがあり口の中にしっかりのってくる感じがあった。レモンのあとにオレンジピールが残るようで、あと味はガサツで、甘さが目立って酸と馴染んでいないようなチグハグな印象だった。

しばらく放置して温度を上げた状態で飲んでみたが、味の要素が分離してチグハグなところが際立ってしまった。このシャンパンはよく冷やして飲むほうがよい。

このシャンパーニュの仕様

ブドウ品種構成:ピノノワール35%、シャルドネ35%、ピノムニエ30%

甘辛度:ブリュット

ヴィンテージ:NV

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