ドゥラモットというと名だたる銘酒Salon(サロン)が思い浮かんでくる。エノテカの説明によるとSalonはパリの毛皮商人が自分のために長期熟成に堪えられるシャンパーニュを造ったことが始まりと言われている。1905年の最初の出荷から今まで41ヴィンテージしか出ていないというので、それ以外の年のワインはどうなっているのかというとドゥラモットに流れているのである。これはSalonが収穫段階からブドウを見切っているのかワインにした状態で見切りをつけているのかわからないが、いずれにしてもSalonにならなかったものはドゥラモットに行っているのである。そんなことからドゥラモットはSalonの姉妹メゾンと言われているそうである。
私は今まで誤解していたがドゥラモットはSalonの出来損ないだと思っていたのだ。もしくはドゥラモットの秀逸なものがSalonとして世に出ていると思っていたのだ。
Salonは格付け村であるメニル・シュル・オジェの僅か1hの畑から採れたブドウ(シャルドネ)から造っている。Salonにならなかった年のブドウだかワインがドゥラモットに行っているだけでは、とうていドゥラモットの生産には追いつかない。ドゥラモットは年産70万本である。それに対しSalonは6万本である。ドゥラモットもメニル・シュル・オジェを根拠地としており、自社畑6hを所有するNMである。ドゥラモットの生産のごく一部分をSalonにならなかったブドウを使っているのが実情である。しかもドゥラモットはブランブランはともかくとしてスタンダード版のブリュットはピノノワールやピノムニエのブレンドなのでSalonとはブドウ品種構成も違う。Salonのブドウだけで造っていると思っていたのはまったく誤解だった。
キャラクタはトロピカルフルーツのねっとりした香りが魅惑的だった。舌触りが滑らかでとろんとした感じがあり、味もトロピカル。こんなドゥラモットははじめてである。今まで何回か飲んだことはあったが、たいしておいしいとは思わなかった。たぶん状態がいまひとつだったのだろう。状態の良い悪いは香りの立ち方に顕著に表れると思っている。良くないと香りは枯れてしぼんでいるような寂しい感じがする。これを飲んでドゥラモットの印象が変わったので、やはり思うことはデゴルジュマンをして何年も経っているものは飲みたくないのである。
おそらく今まで飲んでいたのは古いものだったのだろう。
このシャンパーニュの仕様
ブドウ品種構成 | シャルドネ50%、ピノノワール30%、 ピノムニエ20% |
デゴルジュマン時期 | 不明 |
甘辛度 | Brut |
ヴィンテージ | NV |
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