ピエール・ジェルベ・エクストラ・ブリュット(Pierre Gerbais Extra-Brut)を飲む

飲んでみて

今回はコート・デ・バールのピエール・ジェルベのエクストラ・ブリュットを取り上げる。シャンパーニュ地方はフランスの北の方にあり、その中心都市ランスはパリの北東130キロのところにある。パリからTGVで50分くらいで行けるところである。日本の地理にあてはめるとちょうど大阪から名古屋に行くくらいが距離にしても方角にしてもぴったりとあてはまる。

コート・デ・バールの場所を地図で確かめてみたらパリの右下にあるので、こんな南にシャンパーニュの地域があるのかと意外に思ったが、20世紀初頭に原産地呼称統制法(appellation d’origine controlee 以下AOC)が制定されたときはコート・デ・バールはシャンパーニュと名乗ることは禁止されていたのだった。AOCとは特産物の品質を守るために作られた法律でシャンパーニュについていえば原料となるブドウはシャンパーニュ地方で採れた決められた品種のものを使い、製法はシャンパーニュが認めているやり方で造らないとシャンパーニュと銘を打てないのである。こういう規定があることで悪い業者によるいい加減なスパークリングワインをシャンパーニュと名乗らせないようにして、消費者や生産者を守っているのである。

ほかのシャンパーニュの地域から離れていて、飛び地になっているところがなんでシャンパーニュと思うが、実態としてはAOC制定前からコート・デ・バールのブドウを買ってシャンパンを造る業者がいたので、いまさら法律ができたからといってコート・デ・バールのブドウを使ったからシャンパーニュと名乗ることはできませんと言われても困る人たちが多くいた。コート・デ・バールの農家やそのブドウを買ってシャンパンを造る人たちの抗議があってシャンパーニュを名乗ることができるようになった経緯があったのだった。

飲んだ印象はリンゴの香りにかすかにシナモンのニュアンスがあって、何よりも特筆すべきは溌剌とした生きのいい香りであった。もぎたての果物のような新鮮な香りが堪らなかった。飲んだあとに残る余韻も爽やかな風のような心地があって、気持ちが良い。

デゴルジュマン(澱引き)の時期が印字されている

溌剌、新鮮、若さ、このシャンパンの良さは生産者が良いこともあるだろうが、出荷前の瓶内熟成後の澱抜き(デゴルジュマン)が昨年の4月というのが大いに関係していると思った。現地に行って澱抜き直後の新鮮なものを選んで飲んでみたいものである。デゴルジュマンの時期はシャンパンを選ぶときに気にしたいとと思った。

このシャンパーニュの仕様

ブドウ品種構成:ピノノワール50%、シャルドネ25%、ピノブラン25%

甘辛度:Extra-Brut

ヴィンテージ:NV

デゴルジュマン:2018/4

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