クープグラス(coupe)の由来

tarlant pinot-munier 100% 聞きかじってみて

この日飲んだのはTarlant(タルラン)のブランノワール2003年。セパージュ(ブドウ品種)が珍しくピノムニエ100%のもの。

シャンパンはほとんどがシャルドネかピノノワールかピノムニエで造られている。たいていはその3種を混合している。またはシャルドネとピノノワールの組み合わせ、もしくはシャルドネ、ピノノワールを単独で使っているかである。ピノムニエは主要品種でありながら、単独で使われているのはごくわずかである。シャンパンを幅広く飲んでみたいと思っているので、珍しいセパージュはそれが素晴らしいかどうかという評判よりも、むしろ好奇心にかられて選んでいるところがある。

販売サイトではピノムニエはまろやかさを出すために使われているとの記述をよく目にする。シャルドネやピノムニエが単独で使われることがよくありながらピノムニエは単独で使われることがほとんどなく、たいていのシャンパンに使われているので欠かすことのできない調味料のような存在なのかもしれない。

そんなシャンパン界の調味料ぐらいにしか思っていなかったピノムニエがピンで立っているので行ってみました。

どんなシャンパンかというと実はよくわからないです。それでも素敵なワインだったということは覚えています。なぜならその前に以前取り上げたルネサンスを1本空けていたからシャンパンの分析などうでもくようなっていたので、それでも残っている印象というのはおそらく本物だろうと思うのからです。

覚えている範囲で言うとあたりが柔らかく上等な食後酒のようなまろやかさのあるシャンパンだったということです。飲んでいるとまったりとした感じが堪らなく、真冬の朝の布団から離れられないような名残惜しさがあったことは確かです。そこにずっととどまっていたいような安心感があったので、口の中に満たされている素晴らしいもが干されていくのはさびしくなるような感じがありました。快楽の源はテクスチャにありました。

ラベルにあるLa vigne d’orとは黄金のブドウ園という意味で、ちょっとメルヘンチックですがワインとしては結構なものです。

ちょうどこれを飲み始めたときに美しいフランス人カップルが隣に座ったので、気になって会話に聞き耳を立てていましたが、まだ自分のフランス語のレベルがそこまで行っていないのでなにもわからなかったのですが、2人の時間を邪魔しはせぬかと不安におののきつつも手伝ってくれませんかと丁寧な言葉で申し入れると、もちろんと気持ちのいい返答があって喜んだのです。

その貴種(とりわけ男の人がそう思えた)のような人たちと話していて、シャンパンのよもやま話しを仕入れることができたのは大きかったです。たとえば数あるシャンパングラスのなかではレストランではまず見かけないクープグラス(お椀のような平べったいグラス)はマリー・アントワネットの乳房をかたどったことから来ているとか、ヴーヴクリコのオレンジはフランス人がオレンジ色のワインを馬鹿にして飲まなかったものをイギリス人が珍重するのでそれにおもねってブランドカラーをオレンジ色にしたら受けたとか、なんにしても今のシャンパーニュの繁栄はイギリス人なしでは語れないなどシャンパンにまつわる話しを聞くことができたのです。

クープグラスはこのRammsteinのDeutchlandの2:27のシーンでどういうものかわかります。

いままでテイスティングコメントをやろうと躍起になっていましたが、そういうのは適当にやろうと思えたことがその人たちとの会話で得た収穫でした。彼らは無数にあるワインを選ぶときに未体験のものはエキスパートがワインの味わいについてコメントしているvivinoというアプリで確かめてから買っていると聞いたので、なるほどエキスパートのコメントがアプリで提供される時代なら自分のコメントは太刀打ちできないなと思ったのです。なので素人消費者の感覚で大雑把に、太陽はあっちの方から昇ってくるよ、冬だともうちょっとこっちの方だよといったような、ゆるいけれどもゆるぎないところで語ろうかと思ったのです。

今日この記事の更新をしていて驚いたのが、自分以外の人がここを更新していたのです。関西弁で何か書いていましたが、内容はともかくとしてどうやったのか知りたいです。お礼はするんで面と向かって教えてくれないでしょうか。

貴殿がお酒の飲める方で清潔(サニタリー)な方でしたら8月お盆のときに有楽町のフランス料理屋アピシウスでプレステージシャンパン5種に合う料理を食べる会があるのですが、ご馳走します。いかがでしょうか。

このシャンパーニュの仕様

ブドウ品種構成ピノムニエ100%
デゴルジュマン不明
甘辛度ドサージュゼロ
ヴィンテージ2003年

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